雑記

自然治癒力について

自然治癒力について
生体が本来もっている生きていくための大事な機能です。

恒常性維持機能:体の外部環境の変化、あるいは体内の生理機能のバランスの乱れに対して、自然に身体の状態を恒常的に一定に保とうとする働き。

自己防衛機能(免疫):生体の外部から浸入してくるウィルス・細菌類と戦う機能のこと。
自己再生機能:体が外傷などを負った時に、傷を治す機能のこと。

自然治癒力の低下にみられる代表的な症状
・ケガや病気になりやすい。また治りにくい。
・疲れやすい。疲れが取れない。
・身体的不調(凝り、痛み、冷え、胃腸の不調(食欲不振、下痢、便秘等々)
・精神的不調(ストレス、イライラ、躁鬱、性欲減退等々)

鍼灸の治療はどのような症状や病気に有効か

鍼灸の治療はどのような症状や病気に有効か

歴史的には鍼灸治療は内科疾患を始めとして多くの疾患治療に用いられていました。日本では「腰痛」、「頸肩腕症候群」、「膝関節痛」などの運動器疾患や慢性疼痛の治療のため鍼灸治療を受ける人が多いのが現状です。

鍼灸治療は世界的な広がりを見せ、医学の各分野で基礎・臨床研究が進んでいます。世界保健機関(WHO)は鍼治療の適応として「運動器疾患」や「慢性疼痛」、「尿失禁」、「メニエル症候群」、「便秘」など49の疾患・症状をあげています。

日本の鍼灸教育機関の教科書には、「頭痛」「顔面痛」、「顔面麻痺(まひ)」「鼻閉」「鼻汁」「めまい」「脱毛」「便秘と下痢」「食欲不振」「肩こり」「眼精疲労」「生理痛」「疲労と倦怠」「インポテンツ」「冷えとのぼせ」「排尿障害」など、日常遭遇する主要な35症状の鍼灸治療法が取り上げられています。

※東洋医学的発想ではいかなる病や症状にも効果が出せると考えています
 鍼灸の目的は気の偏り等をなくして体を均整のとれた元の状態に戻すことです。
東洋医学では「気が偏った状態で出てくる様々な症状」を病と捉えています。「気の偏りを無くせば症状は消える」ということですから、病気や状態による鍼灸治療の適否の区別は、本来ありません。つまり、いかなる病や症状にも効果が出せると考えています。

現代医学との併用は可能か

現代医学との併用は可能か

鍼灸は現代医学の効果に拮抗したり、悪影響を及ぼしたりすることはほとんどありませんが、不安な場合はご相談下さい。

一方、薬剤の多くは症状を抑えたり身体の状態をコントロールするために強制的に作用します。これらは鍼灸治療が求める「自然な身体機能の向上や回復」とは方向性が異なっているといえます。

患者自身にある程度服用の選択が許された頓服薬や辛いときにだけに服用するように処方された薬剤(痛み止め、導眠剤等)は可能であれば必要最小限にとどめることをお勧めいたします。薬物に必要以上に依存しすぎることは現代医学でも勧めてはいません。

現代医学の長所短所について

現代医学の長所短所について

重篤な疾患の多くは現代医学に頼らざるをえないということは事実です。
その上での話です。

現代医学では外科的処置をのぞけば「治療=薬剤投与」になっています。
薬剤の長所は効果の内容、効果の度合いがエビデンスに基づき保証されていることです。

その反面、肝臓や胃への負担等様々な副作用の可能性は避けられません。

現代医学では検査等で異常が見つからない場合は、原因不明の症候群(不定愁訴)として、対症療法的に薬剤投与を続けていくことになります。

病気の種類や症状にかかわらず、脈やお腹を診るのはなぜか

病気の種類や症状にかかわらず、脈やお腹を診るのはなぜか

脈や腹部を丁寧に診察しますが。これらの診察は、脈診、腹診といって、患者様の現在の状態(体質や心理状態や体のバランスの崩れ)が最も出やすい部位であり、治療を行う上で重要な情報を得るために行います。病気の種類や症状にかかわらず、脈やお腹を診るのはそのためです。

東洋医学では脈診と切経(経絡を探って異常をみつける診断法の一種)を重要視しています。脈診により体質や病状を診て、それに応じた本治法を行い、同時に標治法で苦痛を取り除くよう治療を行います。

また、問診の際には、一見症状に関係のない質問をしている様に思われるかもしれませんが、お聞きしている内容は東洋医学においてはすべて直接的または間接的に密接な関係にある事項となっています。精密な各種検査手段のない時代に発達し積み上げられたノウハウによる東洋医学の特徴の一つです。お体の状態を正確に把握するためにご協力ください。

治療はどの程度の期間となるか

治療はどの程度の期間となるか

治療回数は、個人差(男女/年齢/体格)・症状・生活習慣(食事/職業)などにより異なります。また、部分治療・全身治療によっても異なります。一般的に症状が出てからの期間が長くなればなるほど治療回数が必要になってきます。

急性の疾患、たとえばぎっくり腰の初期症状なら、治療後に効果が顕れやすいです。逆に慢性の難治性疾患はすぐには変化が顕れないことが多いのも事実です。これは鍼灸に限らず現代医学にも当てはまります。

また、健康維持、ボディケア等はご自身で効果の度合いをみて、定期的に継続されるのが良いと思います。

鍼灸治療の副作用について

鍼灸治療の副作用について

副作用が無い事が鍼灸治療の特徴でもあります。ただし、治療後にだるくなったり、眠くなったりする事がありますが、それは好転反応というものです。個人差はありますが長くても1~2日で収まります。通常、治療を続けていくうちにこういった好転反応は起こらなくなっていきます。

また、内出血のリスクも避けられません、場合によっては青ジミになったりしますが数日でなくなります。身体への障害はありません。

治療した後の運動、風呂について

治療した後の運動、風呂について

運動について

治療当日は、なるべく控えた方がよいでしょう。治療後は血行がよくなるため、さらに運動を行うと疲労感が増すことがあります。また、治療後に痛みなどが軽減したために、ふだんより体を動かし過ぎて後でかえって痛みが増加してしまうなど、本来の治療効果を得られない場合も出てくるからです。

風呂について

一般的にはお風呂に入って体を温めた方が効果的です。しかし、いわゆる「鍼・灸当たり」と呼ばれ、治療後にだるさや疲労を感じたり、気持ち悪くなることがあります。これはしばらくすると自然に回復してきますが、このような場合は、お風呂には入らない方がよいでしょう。

美容鍼やダイエット等について

美容鍼やダイエット等について

当院では通常施術と捉えて、特別に美容鍼というメニューをたてていません。
通常施術でも血行や姿勢が改善し、皮膚や体型にもいい影響が現れてきます。勿論、理美容が主目的である方には通常施術にあわせて目的にあった施術も行います。

昨今、流行りの美容鍼灸を専門に標榜する施術院の多くがパフォーマンス(顔に大量の鍼を刺したり等)主体の施術を行ってますが、鍼灸は数少ない要点に施術し、効果を導く技術体系なので、当院では必要な場所に必要なだけの施術となっています。念のために付記いたします。

不定愁訴について

不定愁訴について

不定愁訴とは、身体的症状やからだの不調の自覚があるにもかかわらず、検査をしても器質的(解剖学的、生理学的等)に異常の見られない状態を言います。

現代医学では、原因不明と言うことで対症療法(症状を抑えるためだけの薬剤の処方、投与)のみとなります。的を射ていれば治療として奏功するかもしれませんが、そうでない場合は延々と薬剤の投与を受け続けることとなるかもしれません。

肩こり、頸の凝り、寝違えについて

肩こり、頸の凝り、寝違えについて

肩こりは多くの方が罹患している症状です。

一般的な肩こりの原因は仕事や家事などで同じ姿勢をとり続けることにより、頭や腕を支える背中の大きな筋肉である僧帽筋やその周りの筋肉の持続的緊張によって筋肉が硬くなって血流の循環障害が起こり、そのため筋肉を動かす時に必要な酸素や栄養分が末端まで届かず疲労物質が蓄積されることにより、これを刺激として肩こりを起こすと考えられています。

物理的な負荷だけでなく精神的緊張も肩こりの原因になります。

この場合「頭痛」「睡眠障害」などの症状もあわせて起こる場合が多いようです。可能な限りストレスを減らすことを心がけた生活を送りましょう。

ギックリ腰について

ギックリ腰について

発症直後は炎症を起こしており、この場合は、基本は安静、冷却です。

来院された場合は、何もしないわけにはいかないので、筋緊張を解きほぐす為の刺鍼を行います。

筋由来の急性疾患は比較的効果が出やすく、ギックリ腰も施術直後の効果が顕著(例えば、立てない歩けない状態で来院された方が歩いて帰れるようになる)な場合が多いです。

生活指導は治るまでの安静、治った後での日常生活での適度な運動ストレッチです。

自律神経について

自律神経について

私たちの身体には、生命を維持するために生理的状態を一定に保つホメオスタシスという機能が備わっています。自律神経はこのホメオスタシスを保つために、呼吸・循環・消化・代謝・体温調節などをコントロールしています。

自律神経には「活動する神経」と「休む神経」があります。主に日中に身体を活動的に動かす交感神経と、夜やリラックス時に活性する副交感神経です。二つは協調しバランスをとったり、また同調してお互いを高めあったりしています。
身体のあらゆる器官は交感神経と副交感神経の二重支配によって調節されています。

例えば心肺機能でいえば、活動時には交感神経が優位になり、全身に血液を送り出すために心拍数はあがり、呼吸は速くなります。
非活動時には副交感神経が優位になり、心拍数は落ち着き、ゆったりした呼吸になります。

自律神経失調症について

自律神経失調症について

自律神経はとてもデリケートなため、ストレスの影響を受けやすく、二つの神経の切り替えがうまくできなくなりやすいのです。この切り替えがうまくできない状態が自律神経失調症です。

自律神経は全身のあらゆる器官に影響を及ぼしています。よって、自律神経失調症になると人によってさまざまな全身症状が顕れます。

症状

めまい、ほてり、冷え、だるさ、倦怠感、微熱、不眠、眠りが浅い、眠気、起床困難、疲れやすい、力が入らない、フラフラする、立ちくらみ、発汗、震え、頭痛、ドライアイ、耳鳴り、嚥下困難、胃腸障害、動悸などがあります。

自律神経に影響を及ぼす要因

自律神経に影響を及ぼす要因

【ストレス】
  緊張状態がいつまでも続けば、ずっと交感神経が興奮した状態を強いられます。
 過度な 精神的ストレス、肉体的ストレス、生活環境の激変もストレスになります。
 さまざまな ストレスが渦巻く現代社会では自律神経は常に交感神経が働きっぱな
 しの状態が続きま す。

  また、同じストレスでも人によって感受性が違います。体質、精神状態などにも
 ストレスの感受性は影響します。

【生活環境の不規則】
  明るい昼間は行動し暗い夜は寝る、動物の基本的な行動パターンです。すなわち
 昼は交感神経優位、夜は副交感神経優位が自律神経の日内変動です。

  例えば夜(リラックスした副交感神経が働かなくてはならない時間)に仕事やス
 トレス、不眠などが原因で交感神経優位になってしまう生活や環境が長期間続いて
 しまう、もしくは昼(活動的な交感神経優位な時間帯)に副交感神経が働きすぎる
 状態を作ってしまうと身体に備わった自律神経の調整能力がだんだんと狂ってきま
 す。
  その他、痛み、飲食バランスの崩れ、気温・気圧・季節なども自律神経に影響し
 ます。

【痛み】
  痛みはストレスです。痛む状態が続くと交感神経が過度に働きます。
  消化管活動が低下し身体の修復が進まず、筋肉は臨戦態勢のまま硬く、そして手
 足末端は冷えます。手掌などは冷たい汗なども出ます。

  交感神経が過度に働くと末端では血流障害が起きます。その血流障害があらたな
 痛みをひきおこし、痛みの悪循環が形成されます。

自律神経を整えるためには

自律神経を整えるためには

自律神経を整えるには規則正しい生活を心がけましょう。充分な睡眠時間をとる、食事を三食とる、適度な運動をすることなどに気をつけましょう。

副交感神経を働かせやすくしましょう。

誰でも簡単にできる方法でオススメなのは深呼吸です。呼吸は自律神経が支配する機能の中で、唯一意識的に動かせます。呼吸の吐く息は副交感神経を優位にさせます。腹式呼吸や深呼吸を上手に行うことで副交感神経を働きやすくさせることができます。

交感神経の過緊張を抑制しましょう。
体を温め冷えを防ぐのが効果的です。夜はシャワーで済ませてしまわずに、ゆっくり湯船に浸かるようにしましょう。 パソコンやテレビ、蛍光灯なども交感神経を緊張させる原因になります。就寝一時間前などは、これらを消して副交感神経を働きやすくさせてから寝るようにしましょう。

鍼灸による自律神経調整について

鍼灸による自律神経調整について

鍼灸治療の自律神経調整作用ストレスやさまざまな要因で自律神経の失調が起きている身体を、鍼灸治療により正常な状態に導くことができます。

鍼灸治療の最中、もしくは治療の後に身体がぽかぽかと温かくなる感覚を体験することが多いと思います。これは鍼灸治療によって副交感神経が優位になり筋肉や精神の緊張がゆるみ、血行が良くなった状態と考えられます。また、治療後のけだるい感覚や眠くなる、おなかが空く、トイレが近くなるなどいろいろな反応がありますが、これらも全て自律神経の変化の表れです。

疾患によっては副交感神経が優位な状態が原因の場合もあります。
このような疾患では副交感神経を抑え、交感神経の働きを促す治療を行います。

鍼刺激による自律神経の調整では使う鍼の種類、鍼の本数、刺す深さ、刺すタイミングなどを操作することにより自律神経の調整を行います。
自律神経調整の効果が高い経穴を選び、患者さんの呼吸に合わせて鍼を刺す方法や、患者さんの姿勢を変化させて自律神経を調整する方法などもあります。

鍼灸では知識や経験に基づく様々な手法を活かし、交感神経の抑制と興奮、副交感神経の抑制と興奮をしっかりと使い分けて自律神経のバランスを整えていきます。

心身症について

心身症について

心身症とは、その発症や経過に心理的ストレスが強く関与した身体の病態です。そして、現実的なストレス環境による「現実心身症」と、ストレスの受け止め方や対処の仕方、あるいは本人の性格傾向による「性格心身症」に分けられます。

様々なストレスは、中枢神経系、自律神経系、内分泌系、免疫系などの生体調節系に影響して身体、精神、行動などに症状を引き起こします。

「うつ症状」について

「うつ症状」について

気分障害とも呼ばれる、心の病気です。気分の落ち込みや気力の減退、睡眠障害などの症状が現れます。他に人格障害の有無や身体の状態、ストレスの強さや日常生活への影響などを総合的に見ることで「うつ症状」と診断されます。

また、精神症状がない、あるいはあっても軽く、身体症状が全面に出る『仮面うつ』もあります。「うつ症状」の身体症状には、腹痛や下痢などの消化器症状、肩こりや関節痛などの整形外科的症状、頭痛や耳鳴り、めまい、倦怠感など、さまざまな症状が現れます。一般にうつ症状には『日内変動』があり、朝に最も症状が強く、午後から夜にかけて少しずつ回復していきます。また天候の影響を受けやすく、雨や曇りの日などに症状が強くなることもあります。

神経症について

神経症について

神経症は、「心因によって起こる非器質的で機能的な精神的身体的障害」と定義されています。

神経症の発症には、性格的な因子の影響が大きいのですが、環境からの刺激が大きすぎたり、刺激が反復されると性格的な因子が強くなくても発症します。

・全般性不安障害
 不安神経症の慢性型です。漠然とした不安感が長期継続し、運動性緊張、自律神経系更新状態を呈し、不安や思い過ごし、不眠、集中困難などの症状を呈します。

・混合型不安抑うつ障害
 不安症状と抑うつ症状がともに存在しますが、どちらの症状も別々に診断するほど重くありません。

・身体化障害
 多発性で易変性の身体症状が2年以上ありますが、適切な身体的説明がつきません。社会的、対人的、家庭的な機能がある程度障害されている場合があります。症状は体のどの部位でも起こりますが、消化器系の痛み、嘔吐、悪心や掻痒感、灼熱感、うずき、しびれ、痛み、女性の場合月経に関するものが多いです。

・身体表現性自律神経機能不全
 精神的ストレスなどの心因が関係して、動悸、発汗、紅潮、振戦のような他覚的自律神経亢進症状や一過性の鈍痛や疼痛、灼熱感、重い感じ、締め付けられ感、膨れあがり感など主観的で非特異性な症状があります。該当する器官や系統の本質的な生理学機能を乱すことはありませんが、重篤な障害の可能性があるのではと苦悩が続きます。